top of page

従来の問題点4(サンプリング位相ずれ)

 例えば、CDをリッピングして作成したwaveファイルと、同じCDを下の図のように、CDプレーヤーで再生(D/A変換)しつつ、A/D変換してデジタル録音したwaveファイルとを、解析ソフトに読み込んで比較し、両者が完全に一致する場合には、D/A変換時の音質の劣化がないといえます。しかし、この方法では、サンプリング周波数ずれを補正しても、サンプリング位相ずれの問題が生じます。




 つまり、元のCDは44.1kHzでサンプリングされますが、DACによるアナログ変換時と、ADCによるデジタル変換時のサンプリング周波数ずれを補正しても、サンプリングのタイミングが完全に一致しないと、位相ずれが微妙に生じます。下の図はそのイメージを示したものですが、曲の全体で、2つのwaveファイルに一定の差分が生じており、位相ずれを補正すれば差分はゼロとなりますので、これを補正せずに差分を求めても意味がありません。このようなサンプリング位相ずれは、僅か1/44100 s=23us程度ですが、これを補正しないと波形変化を解析することができません。




閲覧数:31回0件のコメント

最新記事

すべて表示

「デジタル領域での信号の波形変化」について(書籍「見て分かる・・・」より抜粋)

例えば、インターネットを通じて、お金を送金する場合に、「0」が1つ増えるだけで大問題となります。インターネットバンキングが主流となりつつあるのは、そのような問題が生じる確率がゼロだからです。同様に、CD-Rに書き込んだ帳簿を読み込む際に、「0」が1つ増えることもありません。...

Comments


bottom of page