従来の問題点4(サンプリング位相ずれ)
- 弘一 梶崎
- 2023年8月1日
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例えば、CDをリッピングして作成したwaveファイルと、同じCDを下の図のように、CDプレーヤーで再生(D/A変換)しつつ、A/D変換してデジタル録音したwaveファイルとを、解析ソフトに読み込んで比較し、両者が完全に一致する場合には、D/A変換時の音質の劣化がないといえます。しかし、この方法では、サンプリング周波数ずれを補正しても、サンプリング位相ずれの問題が生じます。

つまり、元のCDは44.1kHzでサンプリングされますが、DACによるアナログ変換時と、ADCによるデジタル変換時のサンプリング周波数ずれを補正しても、サンプリングのタイミングが完全に一致しないと、位相ずれが微妙に生じます。下の図はそのイメージを示したものですが、曲の全体で、2つのwaveファイルに一定の差分が生じており、位相ずれを補正すれば差分はゼロとなりますので、これを補正せずに差分を求めても意味がありません。このようなサンプリング位相ずれは、僅か1/44100 s=23us程度ですが、これを補正しないと波形変化を解析することができません。

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