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従来の問題点1(サイン波の使用)

更新日:2023年8月1日


 例えば、CDプレーヤーに含まれるD/A変換器では、デジタルフィルターの特性によってインパルス応答性が、下記のオシロスコープ画像のように異なります。




 このようなインパルス応答性の違いによって、方形波では過渡応答性が、下記のオシロスコープ画像のように異なります。



 一方、サイン波を用いると、下記のオシロスコープ画像のように、デジタルフィルターのインパルス応答性の違いが反映されず、同じ波形になります。


 そして、実際の音楽信号に対しても、インパルス応答性の違いによって、信号波形の違いが生じます。これを解析ソフトで確認すると、下記のように、両者の差分グラフにその違いが現れます。なお、左右のグラフは、同じ曲中の異なる時間帯を表示しており、いずれもフィルターのみが異なる条件でwaveファイル同士を比較したものです。



 このグラフに対応する歪み率を計算すると、次のようになります。




 上記から分かるように、インパルス応答性の違いによって、歪み率で0.1% 相当の波形変化が生じています。このCDプレーヤーのカタログでは、サイン波に対する歪み率が0.002%以下ですので、サイン波を用いることによる弊害が理解できると思います。

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